ヘリコプターもクレーン車もない時代の高所作業の話です。
「依佐美送信所」のアンテナ設備は高さが250mでした。
最初に、8本の鉄塔に対して、横に4本の吊架線を張りました。
次いで、16本のアンテナ線を吊架線に1本ずつ結束しました。
最後に、両端を8本ずつ束ねて、2系統の給電としました。
この作業が、どの様に実施されたかは記録にありません。
しかし、竹かごの写真が残っていました。
全て、人力で行ったのですから、大変な危険作業であったことが推察できます。
戦後、昭和22年にアメリカ軍が使用する際に、アンテナ線を更新しました。
この時の工事方法は、記録に残っています。
地上でアンテナ素子を組み立てて置いて、吊架線4本の両端を鉄塔頂部の滑車に通して、8台のウインチ(巻き上げ機)で同時に巻き上げました。
昭和4年の作業でも、同様な方法でアンテナ素子を巻き上げたものと推察されます。
そして、吊架線4本の部分にアンテナ素子を固定するために、竹製のゴンドラを使って作業したのでしょう。
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