高周波発電機の回転数が変動すると、発信電波の周波数の変動につながります。
発信電波の周波数が変動すると、相手の受信所では、受信信号が不安定になり、受信不能にさえなります。
そこで、高周波発電機の回転数を正確に制御するために「ワードレオナード方式」が採用されていました。
「依佐美送信所」では、回転数の変動率が ±0.02%で制御されていました。
回転数が変動する要因は、モールス信号のMARK とSPACE に合わせてアンテナ入力が100%と50%の2値変動することでした。
その他の要因として、電力会社からの高圧電気の電圧降下や周波数低下もありました。
当時の電力事情は、現在とは大違いであり、家庭向けの電灯負荷が大部分を占めていました。
従って、供給電力の許容幅も緩やかでした。
「ワードレオナード方式」は、直流発電機の励磁電流を制御することで、発電電圧を変化させます。
高周波発電機の設定回転数との差を検出して、直流発電機の励磁電流を増減させる「フィードバック制御」でした。
この方式は、後に、製鉄所における鋼板圧延機の駆動制御にも使われました。
下図は、ワードレオナード方式のシステム説明図です。
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