「依佐美送信所」は、500KWのテレフンケン式超長波送信所として、昭和4年に完成しましたが、それよりも4年前に、アルゼンチン国のブエノスアイレスに500KWの類似施設がありました。
この送信所では、高周波発電機の出力は6,000Hz であったと報告されており、「周波数逓倍器」で目標とする周波数に変換していました。
従って、この送信所が「依佐美送信所」の原型になったと推察できます。
アルゼンチンはスペイン語圏であり、ヨーロッパからの移民が多数いて、ヨーロッパ諸国、アメリカ合衆国、南アフリカなどとの通信回線が必要でした。
当時は、アメリカのゼネラルエレクトリック社がアレキサンダーソン式高周波発電機による送信所を多数建設しており、日本でも「芝浦製作所」が技術ライセンスを得て製造していました。
ところが、構造的な制約から、400KVA を超える高周波発電機は製作しなかったのです。
このために、500KVA 以上の大型機はテレフンケン式が採用されていました。
そして、500KVA を超えると、放熱対策で制約を受けるので、目標とする周波数を直接に発電することが困難でした。
下図は、「モンテ・グランデ送信所」の建物外観です。
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