「依佐美送信所」の開設は、商用の「国際無線電信」が目的でした。
ここの送信設備は、ドイツのテレフンケン社で製作されたもので、人海戦術で延べ1万人を動員して2年間で完成しました。
ところが、既に「短波通信」が実用化されており、数年間の運用後に予備役となり、隣接地に「短波送信所」が建設されました。
暫くして、太平洋戦争が始まり、今度は「潜水艦向けの送信所」となりました。
終戦後は、アメリカ海軍の「潜水艦向けの送信所」でした。
アンテナが複調式に改造されて、太平洋と日本海をカバーしていました。
超長波による無線通信は、波長が長いので減衰損失が少ないうえに、海面に沿って電波が伝わるので、潜水艦向けの一方通信方式として、現在でも利用されています。
わが国では、宮崎県にある「えびの送信所」が「依佐美送信所」と同じサイズの「複調式逆L型アンテナ」を使用して、太平洋と日本海の潜水艦に送信しています。
下図は、世界の海をカバーしている自由主義陣営の潜水艦向けの送信所です。
アンテナ出力は概略500~1,000KW、周波数は15~25KHz、MSK変調方式の電波です。
MSK(Minimum Shift Keying)方式は、中心周波数に対して±1%程度の変動幅で通信します。
+1%が1で、-1%が0として、デジタル信号を送信します。
通信速度が遅くて、単方向通信です。
電波は、海中深度10~15mに達するので、一般に、「フローティング・アンテナ」を使用して受信します。
* JJI 日本の宮崎県えびの高原
* NWC オーストラリア
* NPM ハワイ
* NAA USAのワシントン
* NSS USA
* NAU プエルトリコ
* FTA フランス
* GBR イギリス
[関連記事]
上記「グループバナー」のクリックをお願いします。
より多くの人に私の記事が伝わり、励みになります。