[はじめに]
私は、50歳から70歳まで中部電気保安協会の職員として、高圧受電設備を有する電力需要家の電気保安管理業務を担当していました。
電気の安全な取扱いを需要家の皆さんに指導することが、仕事の一部でした。
「電気の安全安全な取扱い」は、高齢者にこそ必要と思っています。
そこで、高齢者の皆さんに向けて「電気の安全知識」を簡潔に解説するものです。
・・・・・***・・・・・
1。2種類の周波数(50ヘルツと60ヘルツ)の問題
わが国では、富士川を境に東日本で50ヘルツ、西日本で60ヘルツの周波数で供給されています。
これは日本で電気事業を開始した明治初期に、東京ではドイツ製の50ヘルツ発電機を、大阪ではアメリカ製の60ヘルツ発電機を採用したことに起因しています。
このことは、関東以北の50ヘルツ地区と中部以西の60ヘルツ地区間で引っ越しする場合には注意が必要です。
回転機械の性能が変化するため、故障発生や性能低下となるからです。
2。低圧交流電力は「単相3線式」で供給されています
家庭用分電盤の内部では、図のように中性線(アース電位で常に0V)を基準に交流100Vが供給されます。
中性線を跨ぐ2本の電圧線には交流200Vが供給されます。
この200Vは、エアコンやIHクッキングヒーターの電源です。
3。契約アンペアについて
電力引込線から「アンペアブレーカー」(電力会社のもの)を経由して分電盤に配線されています。
この「アンペアブレーカー」は、契約アンペアを超えて使用すると自動遮断します。
年間での最大使用電力を予想して、その時のアンペア数を上回る契約アンペアを選択します。
家庭用の「アンペアブレーカー」は、10A/15A/20A/30A/40A/50A/60A の7種類です。
4。動力用配電(200V三相交流)
商店や作業所等では大型のエアコンや動力機器を使用しますので、電動機の電源として、200Vの三相交流が供給されています。
配電用トランスが異なるので、専用回線で供給されます。
動力源として、200V3相交流を受電すると、大型エアコンや動力モーター機械が利用できます。
上記「グループバナー」のクリックをお願いします。
より多くの人に私の記事が伝わり、励みになります。