高齢者・彦市のブログ

電気の安全知識-2 漏電遮断器の話

家庭内の電気配線経路全体の漏電を監視する為に「漏電遮断器」が設置されています。
一般に、分電盤の主遮断器と兼用の形式が使われますが、基本は分電盤の上流で、家庭内の全体を監視できる主幹に設置します。

漏電感知電流値30mAが標準です。
規格では、基準値30mAに対してー20%~+10%の範囲で0.1秒以下で作動します。

この「30mA」を選定する根拠は、人が感電した場合の許容最大電流値です。

もっと低い値に設定したいのですが、回路の配線や機器の劣化による漏電で誤動作する可能性があるので、一般には、この電流値です。

常に湿度の高い場所や配線被服の劣化があると、常時僅かな漏電が生じています。
従って、誤動作が頻発する時には、原因を調査して、漏電箇所の改修をしましょう。
また、漏電遮断器の組み込み工事は専門家(電気工事士)に依頼してください。
素人が取り付けると「中性線欠相検出回路」が動作しなくて、事故になることがあります。

 

中性線は電力会社の電柱でアース線に接続されています。
従って、「中性線電位」は、常にアース電位となって安定しています。
ところが、漏電遮断器の内部で中性線側に接触不良が発生すると、遮断器2次側の中性線電位が不安定になります。
電灯回路の負荷が上側と下側でアンバランスとなるほど「中性線電位」が変化します。
そして、負荷の大きい側の回路電圧が上昇します。
極端な場合は200V近くまで上昇して、機器の焼損事故となります。

写真は、家庭用分電盤に設置する50A遮断器を兼ねた「漏電遮断器」の例です。
漏電感知電流値30mAで動作しますし、負荷電流が50Aに達すると動作します。
右端に見える白い制御線を分電盤の中性線に接続します。
テストボタンを押すと、30mAの疑似漏電が発生するので、動作試験が出来ます。

 

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