「二酸化炭素の排出量削減」は、人類生存環境の悪化をくい止める施策として、世界中で「緊急の課題」となっています。
しかし、二酸化炭素の排出量をゼロにすることは、現実的には不可能です。
我が国の目標は、30年後の2050年までに「カーボンニュートタル」を実現することです。
「カーボンニュートタル」とは、二酸化炭素の排出総量が森林等で消費される吸収総量に等しくなって、大気中の二酸化炭素濃度が安定する状態です。
容易なことではありませんが、「資源エネルギー庁」の主導によって、段階的に実行されています。
「自然エネルギー」の有効活用では、将来は、余剰電力を「バッテリー」または「水素に転換」して貯蔵することになるでしょう。
そして、車両用燃料として、現在の化石燃料に代わり「液体水素」が使われるでしょう。
「水素エネルギー社会」とは、「液体水素」が車両用燃料や電力会社の需給調整媒体として重要な役割を担う社会のことです。
従って、30年先に実現するとを想定した話です。
「自然エネルギー」を原料要素として最大限利用したとしても、人類が必要とするエネルギーの総量を賄うことが出来ないからです。
従って、2050年以降も化石燃料は使い続けられるでしょう。
私の予測ですが、その頃のエネルギー社会は、以下の如くに変化するでしょう。
改良された「原子力発電所」が稼働して、そこに併設された「水電解法による水素工場」と「液体水素」のオンサイトプラントから、大量の「液体水素」が配送されるでしょう。
この「液体水素」は、バス、貨物自動車、フォークリフトなどの自動車燃料として使われます。
小型自動車は、すべて「電気自動車」で、「太陽光パネルによる自家発電」の電力が主要な動力源 となるでしょう。
また、都会地では、ガス会社から供給される天然ガス(メタンガス)を「コジェネレーション」の燃料として、夜間電力と給湯に利用されます。
「コジェネレーション」とは、家庭用の「燃料電池」と「給湯器」を組み合わせたものですから、夜間の電力と風呂の給湯で利用します。
住宅は「省エネ仕様」が普及するので、「太陽光パネルによる自家発電」と「コジェネレーション」を導入すれば、電力会社からの買電量は、殆ど無くなるでしょう。