[目標-9] 強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な都市及び人間居住を実現する。
運輸、灌漑、エネルギー、情報・コミュニケーション技術、こうしたインフラへの投資は多くの国で持続可能な開発を達成し、コミュニティーのエンパワーメントを図るためには極めて重要である。
製造業は経済開発、雇用、社会の安定の基礎である。2015年、先進地域のGDPの点から見た製造業付加価値は13%と推定された。
過去10年間において、主に先進地域におけるサービスの役割が増えたことによる低下であった。
それとは対照的に、GDPにおける製造業付加価値の割合は途上地域においては比較的停滞気味であった。
2005年の19%から2015年の21%とわずかな増加であった。
SDG 9は金融、テクノロジー、技術の支援、研究、情報通信技術へのアクセス増大によって達成される。
工業開発について
世界経済の構造は、省エネルギー集約型工業へと変わり、各国はエネルギー効率の高い政策を実施するようになったことから、ほとんどすべての地域がGDPの炭素強度の削減を示すようになった。
付加価値のユニット当たりのグローバルな二酸化炭素の放出は1990年と2013年との間に着実な減少を示した。
およそ30%の減少である。
インフラと経済開発は情報通信技術にかかっている。
携帯電話は世界中で急速に広がり、以前は接続できなかったような地帯も情報社会に参加するようになった。
2015年までに、モバイル・ブロードバンド・ネットワークによってカバーされる地帯に住む人口の割合は、世界的に69%であった。
農村地帯ではそのシェアは29%であった。
工業のグローバル化は開発途上国と経済移行国にこれまでなかったような工業上のチャレンジと機会とをもたらした。
国連工業開発機関(UNIDO)は、2013年の第15回UNIDO総会で採択されたリマ宣言に述べられているように、世界中で共有された繁栄と環境維持を達成するために包摂的かつ持続可能な工業開発(ISID)を促進、加速させることを求められている。
ISIDのコンセプトがSDG 9に含まれており、以下のことを意味する:
各国がそれぞれの経済においてより高いレベルの工業化を達成し、工業製品やサービスに関する市場のグローバル化の恩恵を受ける。
誰一人として工業成長の恩恵から取り残されることなく、繁栄はあらゆる国の男女、老若、農村・都市居住者等、すべての人に共有される。
より広範な経済的、社会的成長を環境的に持続可能な枠組みの中で支援する。
UNIDOは、開発途上国と経済移行国がより高いレベルのISIDを達成できるように支援するため、三つの計画的活動分野に力を入れている。
共有された繁栄をつくること、経済競争力をつけること、環境を守ることである。
それぞれの活動分野は、UNIDOの四つの可能にする機能を通して多くの個々のプログラムをのせている。
すなわち、技術協力、分析及び研究機能、標準と質に関連した活動、そして知識の移転、ネットワーキング、工業協力のためのパートナーシップである。
また、工業政策アドバイス、研究と統計、パートナーシップの動員と南南協力、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメント、そして、広範にわたる地域プログラムなど、限られた件数の分野横断的なプログラムを実施する。